R18 お前だからするんだよ

「王が動かないと部下はついてこない。そうだろう、ジェレミア卿?」
「はっ! 流石は殿下、素晴らしいお考えだと思います! ですが、その、なぜこのようなことに……?」
 おずおずと訊ねるジェレミアに、ルルーシュの唇が艶やかに弧を描いた。
「分からないか? 俺自らが率先して行動しなければいけないということさ」
「いえ、それは分かるのですが……やっぱりルルーシュ様にこのようなことをさせるだなんて私には出来ません!」
「うるさいぞジェレミア、俺がやると言ったらやるんだ。お前は黙っていろ」
「る……ルルーシュさまぁ……」
 情けない声を上げるジェレミアを無視してルルーシュは行動を開始した。
 ソファーに座らせたジェレミアの足元に跪き、ルルーシュはごくりと唾を飲み込んだ。自分から言い出したとはいえ、今からすることを思うとじわじわと躊躇いが這い登ってくる。だが、一度言い出したことを撤回することは出来ない。
 覚悟を決めたルルーシュはじっとジェレミアの下半身を見つめた後、手を伸ばす。ジェレミアのごちゃごちゃした服をたくしあげて腹の辺りを肌蹴させ、ベルトに手をかける。音をたててそれを外した後、えいっ、と気合を入れて服と下着をずり下げた。
「……おい、なんでもう勃っているんだ」
「はぁ、その……想像だけでどきどきしてしまいまして……」
 まだ何をしたわけでもないのに半勃ち状態なジェレミアに、ルルーシュは不満そうに睨みつけた。
「最初から俺がやらなければ意味がないというのに……まあいい、これも想定の範囲内だ」
 そう告げてみせたものの、ルルーシュは恐る恐るジェレミアのものに触れた。ぎゅう、と強く握ると、ジェレミアが更に情けない声を出した。
「やっぱり駄目ですルルーシュさまぁ!」
「男ならいい加減覚悟を決めろジェレミア卿!」 
 無理を言わないでください、と半分泣きそうなジェレミアを意識から追いやり、ルルーシュは緊張して力が入りすぎた手を緩める。いつもジェレミアが自分にやるように、適度に力を入れてゆるゆると上下に擦りあげていく。すると、更にジェレミアが勃ち上がっていった。
「うっ、うう……っ」
 半泣きだったジェレミアは、ルルーシュが与える快楽に少しずつ意識が傾いていく。よくよく考えると凄くおいしい体験なのだが、素直に受け入れることが出来ず、葛藤してしまう。だが、心とは裏腹に体は正直なもので、どんどんとルルーシュの手の中でジェレミアは大きくなっていった。
 ルルーシュの繊細な指が自身に絡まり、動いている姿でさえ刺激が強いというのに、更にその上を行く出来事がジェレミアを襲った。
「で、ででで、殿下ぁ!?」
 ルルーシュは勃ち上がるジェレミアのものを口にする。あまりの衝撃にこのまま昇天出来るんじゃないかとジェレミアは頭の片隅で思った。
 ルルーシュの咥内はジェレミアをあたたかく迎え入れ、ぬるりと舌が這わされる。
「るっ、ルルーシュ様……っ」
 耐えるように搾り出された声に、ルルーシュはねっとりと舌で舐めあげながら上目遣いにジェレミアを見上げた。
「はぁ……お前だって、いつもこうするだろう?」
「私は良くてもルルーシュ様がこのような……っ!」
 ぎゅ、と根元を握られて、ジェレミアは呻いた。ルルーシュはジェレミアを掴んだまま、再度唇を寄せる。時々吐息を漏らしながら舌で愛撫するルルーシュは、目の毒すぎてジェレミアは直視出来ない。たまにちらっと見ては卑猥な光景の刺激に、更に股間を膨張させた。
 散々ルルーシュの手にやわやわと揉まれたり舌で吸い付かれたりして、ジェレミアに限界が押し寄せる。
「もっ、無理です……っ」
「ん……そうか」
 ジェレミアの弱音にルルーシュは眉を上げると、一旦口を離す。そして、自分のベルトに手をかけてするっと下を脱いでしまった。
「殿下!?」
 驚くジェレミアをよそに、ルルーシュは座るジェレミアの太腿を跨ぎ、ゆっくりと腰を落としていく。慌ててジェレミアはルルーシュを支え、挿入の手助けをした。
 ぬるぬるとジェレミアの先走りを後孔に擦り付けながら、ルルーシュは息を吐く。
「入るか……? 動くなよ、ジェレミア」
 重力の助けがあるとはいえ、しっかり解されていないそこはきつく、すんなりとはジェレミアを受け入れそうになかった。意を決したルルーシュは、少しきついのは我慢して無理やり腰を更に落としていった。
「うっ……はあっ……」
 圧迫感にルルーシュは苦しげに眉を寄せる。少しずつ腰を沈めていくと、時間はかかったもののどうにかジェレミアを銜え込むことが出来た。
 ジェレミアはその間ルルーシュの腰を支え続けていた。自分から動くことは先程禁止されてしまったため、ルルーシュが受け入れる前に射精しないよう必死に我慢していた。どうにか耐え切れたので、なんとか面目は保てそうだった。
 ルルーシュはジェレミアの首に腕を回し、ぎゅっと抱きついて異物感に慣れようと暫く時間をかける。ジェレミアもきゅうきゅうと締め付けてくるルルーシュの内部を、思い切り突き上げたい衝動に駆られたものの理性で押さえ込んだ。
「んっ……」
 小さく声を漏らしながら、ルルーシュはそろそろと腰を動かし始める。動くたびにぐちゅ、と水音が繋がる部分から響いた。中の弱い部分にジェレミアを擦り付けていくと、ルルーシュは次第に息が上がっていった。
 とろとろと自身からも先走りを溢れさせて、ジェレミアの耳元でルルーシュが喘ぐ。
「ふっ……あっ、んんっ」
 頬を紅潮させながら自ら腰を振るルルーシュの姿に、ジェレミアの理性はあっけなくも音を立てて崩れ去った。ジェレミアはルルーシュの腰を押さえて、勢い良く下から突き上げてしまう。
「ひあっ、ばかっ! 動くなぁ……!」
「もう限界ですルルーシュさまぁ!」
 ぎゅう、と締め付けておきながら文句を言うルルーシュに、ジェレミアの思考は既にぐちゃぐちゃで謝ることすら出来なかった。本能のままにルルーシュを突き上げて、今までの欲望を全てルルーシュの中に吐き出す。
「ああっ!」
 内部に叩きつけられた熱さに、ルルーシュはジェレミアにしがみついたまま同じく精を吐き出した。ジェレミアや自身の腹部を汚してしまった事実に、ルルーシュは洗濯をしなければならないな、とぼんやり思った。

「結局最後はお前が動いたせいで、実践の意味がなかったな」
「……申し訳ありません……」
 シャワーを浴び終えてさっぱりしたルルーシュが、ソファーに寝転がったまま不満そうに言えば、端にちょこんと座ってうなだれていたジェレミアが小さな声で返す。それを見たルルーシュは、顎に手をやるとつまらなそうに呟いた。
「仕方ない……また次に今度は別の奴とするか」
「殿下!? 私以外とするのですか!」
 驚愕したジェレミアが、瞬時に顔を上げてルルーシュに視線を向ける。その様子を、ルルーシュは楽しそうに口元を緩めて眺めた。
「なんだ、嫉妬か?」
「し、嫉妬というか……だめ、駄目です! そんなことは絶対駄目です!」
 物凄い勢いでぶんぶんと首を横に振るジェレミアに、ルルーシュは内心こっそり笑った。
「なら、貴公がまたやらせてくれるのか?」
「Yes, Your Majesty! ……ん? またルルーシュ様がこのようなことを私になさるということですか? あっ、いやっ、それもいけません!」
 自ら墓穴を掘ったジェレミアに、ルルーシュは体を起こすと、するりと腕を回して顔を近づける。ぎょっとするジェレミアをまっすぐと見つめて、唇に笑みを浮かべた。
「男に二言はないよな、ジェレミア卿?」
「う……はい……」
 冷や汗をだらだらと垂らしながら返事をするジェレミアに、ルルーシュはふっと微笑む。
「馬鹿だな、俺がわざわざ他の奴とこんなことをするわけがないだろ。……まあ、気が向いたらまたしてやるさ」
 お前だからするんじゃないか、とは言わずルルーシュは愛しいジェレミアに口付けた。
2008/09/20
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